ここでは2017年公開の映画「スパイダーマン/ホームカミング」をネタバレでご紹介しています。MCU全体のネタバレもしていますので、ご注意ください。
MCU内の現在地と現実の出来事/タイムライン(劇中の時代設定)
MCUの時系列を混乱に陥れた「8年後問題」が存在する問題作。
正直なところ、現在様々なサイトで言及されている時系列に関わる年代のいくつかは、公式の発表でないので、それをそのまま受け取るのは危険とも言えます。
MCUでは、明確な日時がわかる作品の方が少なく「NY決戦からどれくらい経過した」などの言及がほとんどです。ですので当然ながらどこかを起点に類推していかなくてはならいので、もし、その基準が間違ったら全てが合わなくなるという状態です。
ともかく、今作ではっきりとして時系列・日時がわかるのは、ピーターたちが出場した「アカデミックデカスロン(学力大会)」です。これは10月13日〜15日」にワシントンDCで開催され、劇中では、その後にミッドタウン高校の「ホームカミングパーティ」開催、という描かれ方をしています。
ワシントン記念塔は最終日に当たる10月15日だと推測でき、これは一つの基準となります。その上で、現状わかる部分のみを、以下に一覧にしています。
今作でわかるMCU時系列一覧
2008年|ピーター7歳。小学校1年。映画「アイアンマン」劇場公開の年。「アイアンマン」劇中の時系列は2009年から2010年。
2012年|NY決戦。NY決戦後の瓦礫撤去問題の担当が「ダメージコントロール局」
2015年|ピーター14歳。ミッドタウン高校の1年。アベンジャーズコンパウンドは映画「アントマン」によると2015年7月頃には機能し、サム・ウィルソンらが警備にあたっている。スタークタワーからの完全移転は翌年の2016年で主に今作で描かれる。
2016年|8年後(2008年基点)。映画「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」時のピーターの自撮り映像と、その2ヶ月後から(推測するとシビルウォーの終わりが2016年8月頃)。
?? ネッドにスパイダーマンであることがバレる。リズの家でのホームパーティの際にチタウリテクノロジーを改造した武器売買の現場を発見。
10月13日〜15日 「全米学力大会」@ワシントンDC。この途中、バルチャーが襲っていたトラックで格闘。その後ダメージコントロール局の倉庫に閉じ込められる。
?? スタテンアイランドフェリーでの戦い。この時ピーターは「15歳」「高校2年」
10月第3土曜日頃 退学を免れ数日経過。ホームカミングパーティ@ミッドタウン高校。バルチャーをFBIに引き渡す。アベンジャーズタワーからアベンジャーズコンパウンドへの引っ越し/完全移転の最終日。
10月下旬? ピーター、アベンジャーズコンパウンドを訪れ、アベンジャーズ入りを断る。
2020年? 8年後(2012年基点) バルチャーとして瓦礫を盗んでは武器・製品化。
2023年に公式の時系列が公表されることで「8年後問題」は解決されるはずでず。マーベルは公式として「表記に間違いはない」と断言しているので、MCU内では整合性の取れたシナリオができているようです。
重箱の隅をつつくようなやり方ですが、劇中から確認できることや勝手な憶測として考えられることを挙げておきます。
- パラレルワールド/マルチバースなので別の時系列説
- 冒頭のシーンが2008年説
- 2020年にヴァルチャーが再び同じ仕事を再開している説
- アーロン・デイビス(演チャイルディッシュ・ガンビーノ)の生年月日をもとにすると学力大会の後の時系列は2018年説。
- アメリカの「高校生」の年齢とピーターの生年月日から算出。アメリカの高校生は一般的に14歳から。ピーター・パーカーの年齢が「15歳」「高校2年」で2016年。ピーターの生年月日は2001年8月10日。
ちなみに、2012年の8年後の2020年は、MCUの映画シリーズでは「サノスの指パッチン後の空白」としてほとんど描かれていません。同じMCUのドラマ作品「エージェント・オブ・シールド」のシーズン7では、コールソン率いるシールドがタイムワープすることで、クロニコムに征服される地球を救うというストーリー。最後のシーンではコールソンチームの面々が一年ぶりに再開するところが描かれ、そのシーンの時系列が2020年とされています。
この頃はサノスの指パッチンの後の世界で人類が半減している最中なのですが、シールドは地球のみならず、宇宙にもその活動範囲を広げている様子です。
映画版では映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」で一気に5年間経過してしまい、スティーブやナターシャ、キャロル・ダンバースやロケットたちが宇宙規模の活動をしていることが言及されますが、詳細は不明でした。しかしドラマ「エージェント・オブ・シールド」を基準に考えると、シールドも引き続き活動を行っていることがわかります。
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登場するロケーション/地名
ダメージコントロール局・厳重保管施設・ワシントンD.C.
スタークインダストリーズとアメリカ政府が管理する瓦礫撤去のための公的機関の所有する巨大な倉庫。ピーターがトラックに乗ったままダメージコントロール局の巨大な倉庫に入り、閉じ込められる。
アベンジャーズコンパウンド ニューヨーク州北部
ウルトロンとのソコヴィアでの決戦の後からアベンジャーズの本部として移転された施設。元々はニューヨーク州の北部のスターク家の所有していた土地で、長らくスタークインダストリーズの倉庫があった。
アベンジャーズタワー(旧スタークタワー) ニューヨーク
グランドセントラル駅の北側に隣接する超高層ビル。アベンジャーズの本部として使われていたが、今作ではアベンジャーズコンパウンドへの引越しの真っ只中で、警備主任のハッピー・ホーガンは忙しそうに引越しの指示を出している。
そのほかの登場するロケーション/地名
デルマーの店|ニューヨーククイーンズ地区にある、ピーター・パーカーが常連の食品店。店主はイタリア系アメリカ人。看板猫のマーフがいる。対面にあるATMに強盗が入ったさい、チタウリの兵器の誤作動で店は破壊される。21通り駅のすぐ近く。
パラチャタイ|ピーターとメイが夕食を食べにいたタイ料理店。ラーブを食べた。
メリーランド州|トゥームスの部下が向かった場所。
ワシントンD.C.|全米学力大会の開催地。ワシントン記念塔の高さは169.29m。
リズの家|リズの家で開催されたパーティ会場。ネッドとパーティに参加したピーターは、近くの爆発を発見し、チタウリの武器を売買する現場を発見する。
ラゴス ナイジェリア|ウルトロンの直前に、アベンジャーズが生物兵器の保護のために訪れていた場所。ラムロウが自爆をしたことでワカンダ国民が数名死去した。ダメージコントロール局が回収したこの際の戦闘ゴミを、バルチャーの一味が横取りし売り捌いて儲けている。
スタテン島フェリー|スピリット・オブ・アメリカ号。ヴァルチャーとマック・ガーガンの闇取引が行われたフェリー。ニューヨーク市のマンハッタン区とスタテン島を結ぶフェリー。
ミッドタウン高校|ピーター・パーカーが通うニューヨークの高校。「ミッドタウンスクールオブサイエンス&テクノロジー」が正式名称。ホームカミングパーティの会場。
ヴァルチャーの活動拠点|ニューヨーク、ブルックリン地区の旧工業地帯
コニーアイランド|クライマックスでスパイダーマンとヴァルチャーが戦っていた場所。
登場人物/キャラ
ピーター・パーカー/スパイダーマン
ミッドタウン高校に通う15歳の高校2年生。ソコヴィア協定をめぐるアベンジャーズの内紛(シビルウォー)の際にアイアンマン側の助っ人として関わり、その後もトニーたちからの連絡を待ちつつ、近所のヒーローとして周辺地域のパトロールを放課後の日課としている。スパイダースーツのAIにカレンと名付ける。学校では学力コンテストチームに所属しており、フェリーでのヴァルチャーとの戦いの一月半前(6週間)にバンド(軽音楽部?)を辞めている。叔母のメイと同居している。
バルチャー/エイドリアン・トゥームス
リズの父親。ダメージコントロール局ができるまでは廃品回収/残骸処理の会社を運営していた。残骸処理事業をダメージコントロール局に奪われてからは、それまでの業務を闇事業化し、秘密裏に残骸を手に入れ、兵器化し、犯罪者などへ販売し儲けていた。部下の一人が密売の現場でウルトロン軍団の腕の残骸から作られた武器を実演したことがきっかけでスパイダーマンにばれてしまい、最終的にスパーダーマンと戦って敗れ、全ての行いが明るみに出たことで裁判が開かれ刑務所送りになる。取引相手の一人だった犯罪者のガーガンと同じ刑務所に服役。これまでの8年間、FBIにもアベンジャーズにもばれずにこれらの闇の仕事を続けてきたが、ピーターとの関わりにより一家は離散状態になる。
アーロン・デイビス
ヴァルチャー一味がフェリーで武器売買の取引をする情報をスパイダーマンに教えた黒人男性。1985年生まれの33歳。かつてはガーガンと組んでいた。原作ではアーロンの甥(デルマーの店の付近に住んでいてアーロンは強盗事件があったことから心配している)が二代目スパイダーマンになる。演じているのは2018年に「ディスイズアメリカ」で世界的に有名になるチャイルディッシュ・ガンビーノ/ドナルド・グローヴァー。
モリタ校長
ピーターが通っているミッドタウン高校の校長。ハウリング・コマンドーズのメンバーの孫。ピーターの問題行動についての処分を伝える際、ピーターを呼び出す。演じているケネス・チョイは、映画「キャプテン・アメリカ/ファーストアベンジャー」で、モリタの祖父にあたるジム・モリタを演じている。ジムはハウリングコマンドーズの一員としてスティーブ・ロジャースと行動を共にした。
ロジャー・ハリントン
学力コンテストチームの顧問。ピーターらとともにワシントンDCで開催された全米学力コンテストに学生たちを引率。ロジャーは映画「インクレディブル・ハルク」でカルバー大学の学生として登場し、今作と同じく俳優のマーティン・スターが演じている。
ミッシェル・ジョーンズ/MJ
学力コンテストチームに所属する女性。独特の感性から友達も少ない様子の一匹狼。居残り常習犯ありながら、博識で学力コンテストの本番ではチームを優勝へ導き、コンテストチームの新たなキャプテンになる。ミッシェル曰く「ワシントン記念塔は原住民を搾取して建てられた塔」
そのほかの登場人物/キャラ
トニー・スターク|ピーターをスカウトしてアベンジャーズに引き入れた張本人で、彼の活動の監視役でもある。実力を認めてもらおうとするピーターの無謀な行動に手を焼いている。インド滞在の後に、ニューヨークに戻ってきている。
ハッピー・ホーガン|トニーの用心棒であり、現在はスタークインダストリーズの警備主任。ピーター・パーカーの世話役であり、今作ではスタークタワーからアベンジャーズコンパウンドへの引越し作業で終始忙しそうにしている。
ネッド・リーズ|ピーターの親友。ひょんなことからピーターがスパイダーマンだと知り、その後は、スパイダーマンの行動をアシストする「椅子の男」としてピーターを支える。コンピュータープログラミングに詳しく、スパイダースーツの補助輪モードを解除。
リズ・トゥームス|学力コンテストチームのキャプテンでミッドタウン高校のマドンナ的存在。ピーターとも相思相愛で、ホームカミングパーティにピーターと同伴で向かったが、父が犯罪者として逮捕されたことを機にオレゴンに引越すため転校することになる、ピーターとは離れ離れになる。
ハーマン・シュルツ/二代目ショッカー|ヴァルチャーの部下の黒人男性。アーロンとの武器売買に同行し、その後、ジャクソンに代わりショッカーを引き継ぐ。現場に残された異星人のアイテムを取り戻すためにミッドタウン高校に向かうが、アイテムを発見できなかった。この際にピーターに追跡装置をつけられ、ブルックリン、スタテン島、ニュージャージー、メリーランドまで移動し、ピーターはヴァルチャー一味を探すためにメリーランドに行くことに決め全米学力大会に出場した。
マック・ガーガン|殺人を含む犯罪歴を持ち、首にサソリの刺青をしている男。ヴァルチャーの顧客の一人。クレジット後のシーンで、ヴァルチャーと同じ刑務所に入っていることが描かれる。原作コミックではスコーピオンというヴィラン。
メイソン |バルチャーの部下で、ナビゲーション担当。ヴァルチャーのチームの頭脳。
スティーブ・ロジャース|ソコヴィア協定に反発し、シビルウォー以降は逃亡生活をしているため、サム・ウィルソンらと共に指名手配されていることから戦犯とされている。しかしスティーブの出演する啓発ビデオなどは、素行不良の学生に見せるため今でも使われている。
デルマー|ピーターの通っている食品店の店主。イタリア系男性。娘がいる。高校中退したらしい。
ゲーリー|NYの住人。スパイダーマンが車上荒らしの勘違いしたの現場に居合わせる。向かいの老女性マージョリーと知り合い。演じているのは原作者の一人のスタン・リー。
世界観/設定/アイテム
ダメージコントロール局|スタークインダストリーズとアメリカ政府の合弁事業。NY決戦など激戦地となり破壊された街に残された残骸の撤去・回収を担当する。NY決戦時の瓦礫撤去の業者だったトゥームスは、回収した残骸を政府に受け渡さず、自分たちで新たなテクノロジーの開発に利用し始める。
FBI 連邦捜査局|ヴァルチャーとガーガンの武器売買の取引の現場に現れ彼らを逮捕しようとしていた。この取引の通報をしたのはトニー・スターク。
マター・フェイズ・シフター 物質移相器|物質のある面の位相を変化させる装置。この装置によって鉄を変化させて、人が通れる素材になる。4点を繋いだ平面の部分の位相を変化させられる。バルチャーがダメージコントロール局のトラックからアイテムを盗む際に使用し、トラックの内部へ侵入した。
チタウリのコア|ピーターとネッドが手に入れたヴァルチャーたちが残したアイテム。ネッドはこれをリュックに入れ持ち歩き、ワシントン記念堂のエレベーターで爆発する。放射線に反応し爆発する作りで、X線の手荷物検査がきっかけで起爆された。
大まかなあらすじ
2012年、NY決戦の後、スタークインダストリーズと政府によるダメージコントロール局により失業状態になったエイドリアン・トゥームスらは、未提出の異星人のアイテムを改造し、兵器化し、闇ルートで売買し利益を得るようになった。
エイドリアンはそこから翼を持つ装備を製造し「バルチャー」としてさまざまなところから異星人のアイテムを盗み改造することで事業を続けていた。
シビルウォーから2ヶ月後の2016年。地元クイーンズに戻ったスパイダーマン/ピーター・パーカーは、スパイダーマンとしての力を世のために使いたいと思い、身近な犯罪を防いだりと、自警団的な働きをしながらそれらをトニーに報告し、アベンジャーズへの正式な加盟を夢見ていた。
そんなある日、近所のATMに宇宙人の武器を持った強盗が入る。このことを機に、ピーターと親友のネッドは、その強盗たちとヴァルチャーの正体を突き止めようとする。バルチャーの一味がメリーランドへ向かったことから、そこに近いワシントンDCで行われる全米学力テストに参加するピーターたち。
ヴァルチャーたちの悪行を阻止しようとするピーターだったが、失敗し、失神している間にダメージコントロール局の倉庫に閉じ込められてしまう。その際、ネッドが持っているチタウリのコアに爆発の危険性があることに気づき、ピーターはネッドたちがいるワシントン記念塔の向かう。そこでピーターはスパイダーマンとしてネッドたちを救出し、これによってスパイダーマンはまた知名度を上げることになる。
その後、ヴァルチャーの取引相手だった犯罪者からフェリーでの取引情報を得たピーターは、一人で乗り込み、取引を阻止しようとする。しかしこのことがきっかけでフェリーが真っ二つになる危機に直面。その危機を察知し助けたのは、ピーターを監視していたトニー/アイアンマンだった。ピーターは、トニーにスパイダースーツの使用を禁止させれ、さらに学校でも行動の悪さから校長に呼び出しを喰らう。こうしてピーターはしばらくの間は大人しく高校生活を続けることになり、ホームカミングパーティを迎える。
かねてから相思相愛だった学校のリズを、迎えに行ったピーターだったが、そこでリズの父親こそが、ヴァルチャーであることを知る。ヴァルチャーもまた、これまで幾度となく邪魔をしてきたスパイダーマンがピーターであることに気づき、ピーターに「これまでのことは全て忘れろ。さもなくば殺すしかない。」と忠告を与える。
ヴァルチャーがアベンジャーズコンパウンドへ引っ越し中のスタークの飛行機のアイテムを盗もうとしていることに気づいたピーターは、再び、ヴァルチャーを止めに向かうのだった。激闘の末にピーターはヴァルチャーを倒しながらも、自分の正体がバレないように、事件現場から姿を消すのだった。
ことの一部始終をハッピーから聞いたトニーは、新たなスパイダースーツとともに、ピーターを正式なアベンジャーズとしてマスコミの前で発表しようとするが、ピーターは、その申し出を拒否する。
トニーは、そんなピーターの行いを見て、スパイダースーツをピーターに託すが、ひょんなことから叔母のメイに、スパイダーマンであることがバレてしまう。