映画【三度目の殺人】ネタバレ。人を裁くこと。弁護士=調整係について。コントロール外の是枝作品

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2017年9月公開の映画【三度目の殺人】

主演には福山雅治。その役は勝つことが何よりも重要と考える弁護士・重盛。

そして、その重盛が弁護することになる犯人に役所広司。

ヒロインには、被害者の娘として広瀬すずが抜擢されています。

ここでは、映画「三度目の殺人」のキャストと登場人物をネタバレでまとめています。

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重盛家

重盛朋彰 福山雅治|弁護士。勝ちにこだわる性格のため「本当のことなんてどうせわからないから知る必要はない」と考える。三隅の自供を聞いているうちに、三隅に殺人の動機が希薄なことに気づき、疑問を持つ。妻とは離婚調停意中。娘とは頻繁に連絡を取る。30年前の事件の時に三隅を死刑にしなかった裁判官が父の彰久。
重盛彰久 橋爪功|重盛の父親。元裁判官。30年前の三隅の関わった事件の裁判長。理想を断ち切り現実的な考えを持つ。
重盛結花 蒔田彩珠|重盛朋彰の娘。万引きで捕まり母親ではなく弁護士の父を呼ぶ。父親との関係を深めたいと思っている。
重盛の妻|朋彰と離婚調停中。

三隅家

三隅高司 役所広司|仮出所中、解雇された工場の社長を殺害した容疑で起訴され犯行を自供。30年前に殺人の前科がある。故郷は北海道留萌。30年前の事件では借金取りを二人殺害して建物を放火。両親と妻を不幸になって亡くしていることから、世の中に対して理不尽だと感じ、人の命を自由にできる裁判官に憧れを持つ。食品偽装の報酬として受けていた50万円は、工場長殺害依頼の前金だという嘘の話を週刊誌に話す。ピーナッツクリームが好物。雪の日に咲江と偶然会い、咲江が父親(三隅にとっては勤務する会社の社長)から性的暴行を受けていたということを知る。その時、咲江と写真を撮っている。その数日後にかつてお世話になった重盛彰久裁判長に手紙を送っている。
三隅めぐみ(キャストなし)|三角高司の娘。山中咲江と同じく足を悪くしていた。30年前の事件で父親を恨み迷惑に思っている。留萌のスナックで働いている。

山中家/山中食品

山中光雄(キャスト不明)|山中食品の社長。従業員だった三隅に呼び出され河川敷で殺される。娘に性的暴行をしていたことが、咲江の口から明らかになる。
山中咲江 広瀬すず|殺された工場社長の娘。14歳の頃より父親から性的暴行を受けていた。経営している工場が食品偽装をしていることを知っているが、そのことで自分が育てられてきたという事実に複雑な思いを抱く。北海道大学に進学予定。雪の降った日の帰宅時に河川敷で三隅と遭遇し一緒に雪でケーキを作る。その際に自分が父親から性的虐待を受けていることを三隅に話す。言葉として伝えていないが”父親のことを殺してほしい”と言う想いが三隅に通じたと思っている。
山中美津江 斉藤由貴|殺された工場長の妻。咲江の母。食品偽装のことが世間に知れたら工場が潰れるため隠している。
桜井 高橋努|山中食品に勤務する男性。前科持ち。川島に事件のことを聞かれ受け答えする。

重盛弁護士事務所

摂津大輔 吉田鋼太郎|もともと担当していた三隅の案件を重盛の任せる弁護士。世間ずれしているリアリスト。事件の真実がどうこうよりも、裁判が滞りなく終わることが重要だと川島に話す。
川島輝 満島真之介|重盛とともに事件解決に動く若手弁護士。理想を捨てていない汚れを知らない男で、重盛とは対極の人物。世の中には生まれてこなくてよかった人などいないと考える。
服部亜紀子 松岡依都美|重盛弁護士事務所の事務員。世間を背負って代表するような人物。観客に近い視点を持ち、感想を言う。関西弁。”お金目的の殺害”が”怨恨による殺害”よりも罪が重くなる法律に「法律ってなんか不思議ですね〜」とコメント。

検察/裁判所

篠原一葵 市川実日子|三隅の事件の担当検察官。仕事にプライドを持ち、司法システムの中にいながらも、疑問を捨てきれない。
検察官 岩谷健司|篠原の上司の検察官。篠原とともに三隅の事件を担当。法廷という場所を知っているため、正しい立ち振る舞いを篠原に教える。
小野稔亮 井上肇|裁判長。

そのほかの登場人物

渡辺(元刑事) 品川徹|留萌在住の元刑事。30年前、三隅が犯行に及んだ放火殺人事件の翌日、駅に座っている三隅を捕まえた。三隅は当時から取り調べで言うことに一貫性がなく困っていた。三隅には憎しみや恨みがなく「空っぽの器にようだ」と話す。
大家 根岸季衣|三隅の暮らしていたアパートの大家。
タクシー運転手 小倉一郎|山中社長殺害の当日に三隅を乗せたタクシー運転手。
スナック店長 山本浩司|北海道留萌で三隅の娘が働くスナックの店長。
スーパーの店長 中村まこと|結花が万引きしたスーパーの店長。重盛が弁護士だと聞いて通報せずに済ます。

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感想

〜以下こちらクランクインから引用〜

「弁護士の仕事をきちんと描くこと」「『人は人を裁けるんだろうか?』という大きな問い」を重視したという是枝監督は、本作を携えて第74回ヴェネチア国際映画祭に赴く。デビュー作『幻の光』以来、22年ぶりに監督作がコンペティション部門に出品される同映画祭を前に、「この映画で何が達成できているかは、ちょっとまだ分からないです。ただ、苦しんだ分、納得感はあります」

〜引用終わり〜

いくつかの是枝監督のインタビューを読むと、この作品には監督としてコントロールできない部分があるという発言をされていることが確認できます。

広瀬すずが演じた咲江の脚の矛盾が全く解決されていないように感じますし、他にも突き詰めたらわからないことは多々あります。咲江は「生まれつき」足は悪かったのか。それとも「屋根から飛び降りた」から足を悪くしたのか?

しかし、このように考えてもきりがないので、是枝監督のインタビューを元に、その答えはないかと読み漁ってみました。

〜以下リアルサウンドから引用〜

それならば、“利害調整”だと思っている弁護士が、“真実”を今回ばかりは知りたくなる、そんな話を書いてみようと思いました。

〜引用終わり〜

まず是枝監督がこの映画で描こうとしたのは、この”法廷という場所そのもの”だと言います。そして、

〜以下映画ドットコムから引用〜

「司法制度の存在そのものを否定するつもりはありませんが、果たして人は人を裁けるのか」

中略

「非常に不完全な人たちが集まって司法を担っているわけですが、判決は絶対的なものが出るという根本的な怖さ」について。それだけに、「それを知らないうちに許容している私たちに対して、ちょっとゾッとする感じを残したいなと思ったんです」

中略

『一度目はケダモノが、二度目は人間が殺した 三度目の殺人』

中略

「神の目線、全てを知る人が登場しないっていう法廷ものが成立するのかなというところから企画がスタートした」

〜引用終わり〜

というように、神の目線と全てを知る人がいない事件を描くというところが、そもそものスタートだということ、そして、そのために知り合いの弁護士を取材する中で、見えてきたことが、この映画に色濃く反映されているということがわかりました。

この映画で何よりも衝撃的なのが、裁判長と両弁護側が「目配せ」で裁判継続を決定したシーンだと思います。

そもそも法廷で逆転裁判ということはほとんどないというのが現実で、是枝監督が取材された弁護士の方が言っていたように、法廷は罪を裁くところではなく”利害調整をする場所”だということです。

これが現実であることに問題があるかどうかは置いておきますが、法廷という場所をリアルに描いたという部分でも非常に見た甲斐があったと感じる作品です。

そのほか、何度も登場する接見室のガラス越しのシーンは、この映画の特筆すべき見どころのシーンでした。驚いたのは、そのガラス越しのシーンは映画「夕陽のガンマン」の”銃を抜く前のガンマン”をイメージしていたというところでした。

全く予想だにしないオマージュで意外でしたが、死刑が確定した後に三隅と重盛が話していたシーンはものすごい映像で、とても印象に残りました。

どこまでも嘘のないように見える咲江というキャラクターについて、鑑賞後様々な邪推をしてしまいました。しかし、是枝監督が、咲江役の広瀬すずにした演出を聞いて、色々な思いが吹き飛んでいったように思います。

〜以下シネマカフェから引用〜

この(咲江の)母親(斉藤由貴)は、被害者意識でできていて、娘は被害者なのに、むしろ加害者意識を自分のアイデンティティとして持っている。対照的な母娘なんだ

〜引用終わり〜

これを読む限り、咲江の脚が悪い本当の原因はなんなのか?ということを邪推すること自体があまり有益なことではないのではないかと思いました。

この映画は咲江が悪かどうかということが主題ではなく、法のあり方のリアルを描いたというところに注目すべきことだと思います。

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