広瀬すず主演ドラマ【anone(あのね)】考察。坂元裕二脚本の特徴。坂元裕二が伝えたかった「信じる」こととは。

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2018年1月から放送のドラマ【anone(あのね)】

広瀬すず10代最後の作品として注目され、唯一無二の世界観を持つドラマ「Mother」や「Woman」で知られる坂元裕二脚本作品への参加が話題となりました。

視聴率は終始一桁台となりましたが、見応えのある良作となりました。

ここでは、ドラマ【anone(あのね)】の考察として、ドラマで気になったところや、このドラマが何を伝えたかったのかと言うことをお伝えさせていただきます。

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キャッチコピー「守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」とドラマタイトルの謎

正式な発表となる以前のニュースでは、そのタイトルが「Girl&Grils」とされており、全てを失った少女が、自殺しようとしていた資産家の老女と出会ったことから、人生が変わっていく。と言う構想だったと言います。

その後発表されたタイトルが「anone(仮)」であり、その後、正式に「anone」と言うタイトルになりました。

このタイトルは田中裕子演じる林田亜乃音の「あのね」であり、無邪気な子供が話しかける「あのね」でありました。

さらに、坂元裕二作品をたどっていくと、ドラマ「Mother」はトルコ語で「anne」であり、オープニングのタイトルバック映像は「anne」の真ん中に満月の「o」が変化して、「anone」になると言う映像でした。

さらにハリカの過去を知る彦星のチャット上での名前は「カノン」。

これは「anone」にカノンの頭文字「K」をつけることで「Kanone」となります。

こんなところにも坂元裕二の遊び心が見て取れますが、もしかしたら、さらに深い意味が隠されているのかもしれません。

役者「広瀬すず」の成長をインタビューとともに振り返る。

広瀬すずはこのドラマの現場への関わり方で興味深いことを言っていました。

坂元裕二の脚本はわずかに演じ方を変えるだけで、その印象が大きく変わってしまうようなセリフが多く、「私の感じていることはこういうことです」「広瀬すずが見つけた答えはこうです」と言うことを、その演技を通して表現したと話していました。

さらに、クランクイン前は錚々たる面々と共演することへの不安を先輩に相談したそうで、そこでこんな風に言葉をかけられたと言いいます。

「こんな素敵なスタッフさん、こんな素敵な共演者の皆さんと19歳のときに一緒に仕事できるのは、すずだけじゃん。よかったじゃん」

広瀬すず本人も、「そのリアリティ、生身の人間っぽさをどうしたら出せるんだろう、と裕子さんのお芝居を見て、いつも感じています。」と話す田中裕子の他に、監督・スタッフ、阿部サダヲ、瑛太を始め坂元裕二作品の経験者が多い現場で、不安になった時にかけられた言葉だと言いいます。

これまでに元気はつらつなキャラクターを演じることの多かった広瀬すずですが、共演者のほとんどの人が「力の抜けた演技」だったと言う現場で、本来は力の抜けたキャラクターの方がやりやすいと話していました。

「広瀬すずの演技のすごさはその対応力だ」と共演した清水尋也がインタビューで話していましたが、いかにも「主演です」と言う演技の多かった印象の広瀬すずのお芝居の中でも、ハリカという辛い過去を背負いながら生きる少女を演じた姿を見ることができたのは非常に貴重な経験でした。

映画「怒り」では振り幅の広い演技をしていましたが、坂元裕二作品の「普通の人々」の演技はこれまでに見たことのない広瀬すずの一面が垣間見れたのではないでしょうか。

このドラマの放送中に東京スポーツ映画大賞の授賞式に出席した広瀬すずに北野武は「これだけ受賞しているのに受賞している印象がないのは、役者として新鮮に見えているということ」と、広瀬すずが作品ごとにその「役」になりきっているのでは?と言っていました。

広瀬すずはその声も含め非常に特徴的な人です。

しかし、振り返るとそのキャラクターになることに徹しており、主演作でありながらも作品が引き立つような演技が特徴的です。

決してマイナス評価ではありませんが、ディーン・フジオカはその対極で、登場人物の印象というよりは「ディーンフジオカが演技をしていた」ことが、後から振り返ると印象に残る俳優です。

過去の坂元裕二作品の特徴でもありますが、主演でありながらも主演俳優があまり目立たないというドラマが好きな人も多いと思います。

物語に没頭して、その映像作品が表現していることを体験することが映像作品を観る醍醐味で、イケメンや可愛い人を見ることが醍醐味ではないと思う人にとっては、ドラマ「anone」は示唆に富んだ、良作だと言えます。

このドラマの当初のテーマは「偽物と本物」であり、親子ほど年齢の離れた二人の女性を軸に描かれる群像劇でした。

このドラマには数多くの「偽物と本物」という主題が、なんども登場していました。

それは第1話で明らかになった「ハリカの記憶」や「仲間の裏切り」などたくさんの「偽物と本物」がちりばめられました。

次に、作品のテーマを元に、ドラマ「anone」が訴えてきたこと、表現したきたものを抽出して見たいと思います。

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「本物と偽物」散りばめられたメタファーアイテム

普通の生活をリアルに描くのが、坂元裕二作品の特徴ですが、特にその「笑い」のセンスは毎回驚嘆せざるを得ません。

特にこのドラマ「anone」では「セミパジャマ」が印象的な笑いアイテムとして登場しました。

安かったからと阿部サダヲ演じる持本舵が買ってきたパジャマでしたが、青地に写実的な「セミ」が描かれ、その気持ち悪さからパジャマとしての機能を断念し、るい子のアイデアで雑巾になり、そのほか、鍋つかみや亜乃音の髪の毛を抑えるタオルなどとしても利用されていました。

プリントしたレプリカ=ニセモノでありながらも、写実的なためにこのような結末をたどった「セミパジャマ」でしたが、これが一見ただの息抜きのためのアイテムと思いきや、最後に死んで幽霊になった舵が着ているているという最高の「オチ」で帰ってきました。

リアルに似せた偽物の「セミパジャマ」を、幽霊となりこの世には存在しない、ある意味「偽物」の舵が着ていること。

死んで幽霊となって、るい子だけに見える舵にセミパジャマを着せるという発想が、セミパジャマが登場した第5話でその結末が見えていたのか是非とも坂元さんに聞いて見たところですが、このことでラストシーンが重くならず、笑いも涙も、全ての喜怒哀楽が込められた素敵なシーンになったのではないでしょうか。

そのほかにも「血の繋がらない登場人物」や「紙幣と偽造紙幣」「記憶の本物と偽物の記憶」などがテーマとして描かれましたが、全て見た時に感じたのはシンプルな結論が導き出されたということでした。

それは「信じること」でした。

ハリカは最後に「帰るところがあるから、一人暮らしをして一人になりたい」と言いました。

これまでは自分から能動的に人生を選択してこなかったハリカ。

誰かのためだけに生きることが当たり前だと思って生きてきたハリカが、自分のために生きてもいいんだとということが、ドラマ「anone」のラストシーンで主人公が導き出した答えでした。

ドラマのキャッチコピーは「守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」です。

でも相変わらず、ハリカは血の繋がらない家族と暮らしています。それでも彼らは家族のように信頼しあって暮らしています。

信頼とは。信じて依り頼むこと。

ハリカは「信じて依り頼むことができる場所」を見つけました。

それは、信じることが自分の居場所となることを見つけたのだと思います。

以前ハリカは虐待されていた記憶を自らの中で、「美化」して記憶していて、それが「素敵な記憶はお守りになる」とはなしていました。

日雇いで働き、ネットカフェで暮らすハリカは、自らの過去の記憶を心の支えにして、自らを勇気づけていた少女でした。

「血の繋がらない娘の玲の子供で孫に当たる陽人が『放火犯』であることを玲にバラす」と、理市から脅迫された亜乃音は、血の繋がらない偽物であるはずの二人をかばいました。

そのことに対して、蔑むような態度で亜乃音を褒める理市に、ハリカは激しく怒りをあらわにしました。

この時からハリカは偽物でも本物でも、信じたものが「本物」だと結論していたのかもしれません。

このように、信じることを知った人は強いです。

これがドラマ「anone」で主人公ハリカを通して表現されたものだったように思います。

現実の世の中でも、ニセモノやホンモノが溢れ、私たちはその中から、常にホンモノを探し求めている存在です。

日々の生活の中で、自分にとって「ホンモノ」であるものを見つけることは、ドラマの登場人物が体現したように、山あり谷あり、険しい道のりです。

それでも私たちは「ホンモノ」にたどり着いた時に心から救われます。

ホンモノにたどり着くまでの「方法」を「anone」というドラマは提示していました。

常識を超える覚悟をした先に「ホンモノ」を見つけたハリカたち。

それは、現実の私たちも同じ法則の中に生きているということなのです。

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